(1)ドッグショーの目的と出陳する意味
私と莱夢がショーチャレンジしたきっかけは、「かっこいいからやってみたい」とか「うちの子を見てもらいたい」とか、かなりミーハーなものでした。確かにドッグショーは華やかな「晴れの舞台」です。でも、出陳を重ねていくうちに、「厳しい勝負の舞台」だということを痛感しました。ドッグショーに出陳するということは、莱夢が「スタンダード」という視点から比較され、まったくの他人である審査員に優劣を決められるということでした。
私にとって、莱夢は掛け替えのない大切な家族です。その価値は何物にも換えがたく、誰かに優劣を決められたり、同じように愛されているほかの犬と比べられて、どこがいいの悪いのと評価されるような存在ではありません。ただそこにいるだけで、いとおしい、最愛のパートナードッグなのです。
しかし、ドッグショーはあくまでも、犬種の理想とされるスタンダードをもとに比較審査する、「品評会」です。また、スタンダードに近い犬を選出し表彰することにより、さらによい血統を作り出し、優れた健全な犬を繁殖していく目的があります。 つまり、スタンダードに近い犬の繁殖に情熱を傾けている、熱心なブリーダー達の披露と勝負の場なのです。
ブリーダーにとって、繁殖した犬たちが評価され優劣を決められていくことは、とても意味のあることでしょう。今後のブリーディングの方向性を見出したり、ブリーディングの励みになるでしょう。また、優良ブリーダーとして広く認められれば、宣伝効果や販売促進効果もあるでしょう。
繁殖を目的としていない、私のようなごくごく一般の愛犬家にとって、愛犬をドッグショーに出陳する意味はあるのでしょうか?
私は、大いに「意味がある」と思います。愛犬をショーに出陳するためには、さまざまなマナーとルールを身に付けなくてはなりません。狭いケージで待つことも、知らない人に歯や尻尾を触られることも、たくさんの犬の中で落ち着いていられることも、リードを引っ張らずに歩くことも、家庭で愛される犬にこそ必要なマナーではないでしょうか?莱夢は出陳を重ねていくうちに、洗練されたマナーを身に付けていきました。また、ほかでは得られないパートナーシップを得ることもできました。ショーを通して愛犬との信頼関係を深め、愛犬の社会性とマナーが向上していく・・・。これこそ、一般愛犬家がドッグショーに出陳する最大の意味だと思います。
ドッグショーに出陳するには、2つの方法があります。ひとつはプロハンドラーに依頼する方法。もうひとつはご自分で愛犬を出陳し、トリミングからハンドリングまで行う方法です。私は一般愛犬家の立場から、すべて自分で行う「オーナーハンドラー」をお薦めします。プロハンドラーに依頼するのは簡単ですが、オーナーハンドラーでチャレンジする方が、より愛犬との信頼関係を深められると思います。ぜひ、愛犬と一緒にショーリングを走ってみましょう! |
 
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(2)出陳資格と名義変更
●出陳資格について
ドッグショーが「品評会」である以上、ドッグショーに出陳できないワンコや出陳すべきでないワンコもいます。明らかにスタンダードからかけ離れていたり、繁殖能力がなかったり、病気や怪我をしていたり・・・。そんなワンコは、残念だけど出陳には向きません。以下に出陳資格をまとめておきましたので、ご自分の愛犬と照らし合わせてみてください。
FCI公認の犬種であること
非公認の犬種やMIX犬は出陳することができません。
JKC会員所有の登録犬であること
登録犬とは、血統証があるワンコでのことです。FCI公認の犬種であっても、血統証がないと出陳できません。登録番号がないと、出陳の申込みができないからです。血統証が繁殖元やペットショップにあるならば、必ず取り寄せてください。
ハンドラーはクラブ会員とその家族であること
ご自分でハンドリング(オーナーハンドラー)する場合は、JKC(最寄りの愛犬クラブ)の会員にならなくてはなりません。
去勢・避妊手術をしていないこと
繁殖能力のないワンコは出陳できません。
咬癖がないこと
咬癖のあるワンコは出陳できません。
発情中でないこと
発情中のワンコは出陳できません。
ショーにふさわしいカットであること
丸刈りやペットカット、ラップを巻いたままのワンコは出陳できません。
皮膚病など健康上の危惧がないこと
健康上問題のあるワンコは出陳できません。
*外国チャンピオン及びインターナショナルチャンピオンは、本部展、アジア犬展、FCI展、クラブ連合会展、ST連合会展、犬種部会展のみ出陳可能。
●名義変更の方法
愛犬の血統証の「所有者」が繁殖者の名前のままになっていませんか?ご自分で愛犬をハンドリングするためには、愛犬の名義をご自分の名義に変更しなくてはなりません。つまり、愛犬の血統証の「所有者」の欄が、あなたかご家族の名前になっている必要があるのです。
もちろん名義を繁殖者のままで出陳し、ハンドリングをすることも可能です。ただしその場合は、最寄りの愛犬クラブに入会手続きをしてください。(ハンドラーはクラブ会員またはその家族でなくてはいけないので・・・)また、申込みの際はいろいろと面倒になります。繁殖者の許可を得た上で必要事項を記入したり、出陳クラスが「自家繁殖」になったり・・・。
せっかくハンドリングするならば、名義変更することをお薦めします。なぜなら、名義を変更しないということは、愛犬は「繁殖者の所有犬」ということになるからです。せっかくハンドリングをしても、「繁殖者の所有犬」を借りてハンドリングしたことにしかなりません。ショーの出陳目録の「所有者」欄も、あなたの名前ではなくて繁殖者の名前が記載されます。そんなの、淋しいですよね?
名義変更届を記入する
血統証の裏面にある「名義変更届」の「新所有者記入欄」にご自分の氏名と愛犬を所有した日、住所を記入し、捺印します。(「クラブ会員番号」は、既に会員の方のみ記入します。)
「譲渡者署名」にのサインと捺印がないものは認められませんので、抜けている場合は譲渡者(多くの場合は繁殖者)と連絡を取って、サインと捺印をしてもらってください。
最寄りの愛犬クラブに入会と名義変更を依頼する
1)ジャパンケネルクラブに連絡して(連絡先はジャパンケネルクラブのホームページを参照してください)、最寄りの愛犬クラブを紹介してもらってください。
2)愛犬クラブの代表者に、血統証と入会金、年会費、名義変更手数料を送付します。
3)費用は下記のとおりです。
| 入会金 |
2,000円 |
| 1年分年会費 |
4,000円 |
| 名義変更手数料(血統証発行から6ヶ月以内) |
1,100円 |
| 名義変更手数料(血統証発行から6ヶ月以降) |
3,200円 |
ジャパンケネルクラブから名義変更された血統証が送付される
不備がなければ、10日ほどで新しい血統証が送付されてきます。血統証の「所有者」欄が、ご自分の名義になっているか確認してください。間違いがなければ、これで名義変更は完了です。
ジャパンケネルクラブから会員証とバッジ、「家庭犬」が送付される
これで愛犬クラブの会員になりました。いつでも愛犬をハンドリングできます。毎月届く「家庭犬」という小冊子には、ドッグショーや各種訓練競技会などの日程、主催者の連絡先などはもちろん、さまざまな役立つ情報が記載されています。 |
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(3)出陳申込み方法と費用
●出陳の申込み方法
ドッグショーに出陳するためには、事前に申し込む必要があります。
出陳するショーを探す
「家庭犬」などにドッグショーのスケジュールと主催者の連絡先が載っているので、次のことに留意しながら出陳するショーを探しましょう。
1)出陳申込みの締め切りに間に合うか?
⇒ショーの規模によって締切日はいろいろです。クラブ展なら約2週間前が目安です。
2)場所はどこか?
⇒ショーデビューは近場が無難です。最低でも午前7時前には会場に到着したいので、あまり遠いと大変ですよ。
3)ショーの規模はどの程度か?
⇒ショーデビューはクラブ展が無難です。(私は何も考えずにいきなりFCIアジアインターナショナルドッグショーでデビューしてしまいましたが、今思えば無謀だったかも・・・)
4)屋内か?屋外か?
⇒屋内の場合、パドックが指定される場合があります。また、駐車場からパドックまで、荷物を運ばなくてはならない場合もあります。ショーデビューは屋外のほうが無難です。
主催者に連絡して案内や申込書を取り寄せる
主催者に連絡して、ショーに出陳したい旨を伝えましょう。案内と申込用紙を、FAXまたは郵送で取り寄せます。
申込書に必要事項を記入する ←Click here
取り寄せた申込書に必要事項を記入します。記載漏れがあると、出陳受付が上手くいかなかったり、目録の記載ミスにつながります。慎重に丁寧に書きましょう。
申込書に出陳費用を添えて送付する
現金書留で送付します。
●出陳費用
ドッグショーに出陳するには、費用がかかります。ショーの規模によって金額が違うので、案内をよく見て間違いのない金額を送付しましょう。
| FCIアジアインターナショナルドッグショー |
10,000円 |
| FCIインターナショナルドッグショー |
10,000円 |
| クラブ連合会展 |
8,000円 |
| 犬種部会展 |
8,000円 |
| クラブ展 |
7,000円 |
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(4)当日までの準備
●ショーの審査方法や審査の仕組みを勉強する ←Click here
最寄りのドッグショーに愛犬と一緒にでかけましょう。ショーの雰囲気やプロハンドラーのハンドリング、トリミングなど、とても参考になります。そして、審査の仕組みや進行についてよく理解しましょう。
●ショー用のリードを用意する ネットなどでも購入できますが、やはりショー会場などで愛犬に試着させた上で購入したほうがよいです。お店の人に相談して、愛犬に一番合う素材と色を選びましょう。
●ハンドリングの練習をする(約半年前から始めましょう)
ショーリードを付けて練習しましょう。ハンドリングの仕方は、JKC発行の「ハンドリングマニュアル」が大変参考になります。ショー会場で、愛犬と同犬種をハンドリングしているプロハンドラーの動きを見るのも勉強になります。また、自分のハンドリングをビデオで撮影し、客観的に見るのも有効です。
●スタックとフリーステイをマスターする(約半年前から始めましょう)
ハンドリングと同様、ショーリードを付けて練習しましょう。スタックの仕方は、JKC発行の「ハンドリングマニュアル」が大変参考になります。ショー会場で、愛犬と同犬種をスタックさせているプロハンドラーの動きを見るのも勉強になります。また、鏡の前でスタックさせて、愛犬をより良く見せるポジションを研究しましょう。
●クレート・トレーニングをする
ショー会場では狭いバリケンやケージで待機することになります。静かに待っていられるように、きちんとトレーニングしましょう。
●知らない人に慣れ親しむ
ショーではジャッジが触審をします。初対面の人に歯並びを見られ、頭から背中、足、股間、尻尾まで触られます。スタックしたまま愛嬌よくアピールできるように、日ごろからたくさんの知らない方に触ってもらいましょう。
●筋力トレーニングや健康管理をする
ショードッグは肥満でも貧弱でもなく、健康的で美しいものです。適度な筋肉と美しいプロポーションつくりをしましょう。
●ハンドリングするときの服装を決める
靴
リングはコンクリートとは限りません。滑りやすい屋内の床だったり、草の生えたデコボコ地面だったり、ぬかるみや水溜りがあったり、さまざまです。なので、靴はとても重要です。滑りにくく、走りやすいものを選びましょう。サンダルやハイヒールは絶対にやめましょう。
服装
黒いワンコに黒い服のハンドラーでは、ワンコが引き立ちません。愛犬のカラーに合わせて、愛犬が映える色合いの服装を選びましょう。また、動きやすさも大切です。
男性なら上着とネクタイを着用しましょう。女性ならスーツかワンピースなどが無難です。目のやり場に困るような服装や、ジーンズや作業着、極端にラフな服装は避けたいものです。
コームや釣り餌、おもちゃなどを持ち歩けるよう、ポケットがある服が便利です。ポケットがない場合は、ウエストポーチなどを用意しましょう。
●トリミングする
愛犬の長所を活かすトリミングを覚えましょう。
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(5)当日持っていくもの
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(6)ショー会場に着いたら
●パドックを確保する
ショー会場によってはパドックが事前に割り当てられてる場合もありますが、ほとんどの場合がフリーパドックです。パドック確保のため、最低でも午前7時までには会場に到着しましょう。リングサイドや本部テントの周辺は、プロハンドラーが既にパドックを確保しています。リングから少し離れていても大丈夫なので、周囲の状況を見て適度な場所にパドックを確保しましょう。確保したい場所にブルーシートなどを敷いておくとよいです。確保するスペースの目安は、バリケンとトリミングテーブルを置いて無理なく作業でき、ハンドラーと家族がくつろげる広さです。
●本部で受付を済ます
午前7時過ぎから受付が始まります。受付を済まさないと欠場とみなされてしまいますので、必ず受付を済ませましょう。受付は本部テントで行っています。受付時には下記のものが配られます。
ゼッケン
審査時には左腕に付属の輪ゴムでゼッケンを付けます。
出陳目録
ショーのスケジュールやリング、ジャッジの紹介、ショーに出陳されるすべての犬の犬名や両親犬が記載されています。また、目録の最終ページに「お弁当券」が付いている場合もあります。
参加賞
ショーが終わったあとにゼッケンと交換する場合もあります。
●出陳目録に目を通し、さまざまなことを確認する
出陳目録には、さまざまな情報が載っています。事前に確認しましょう。
出陳犬の犬名、性別、クラス
誤りがないか確認します。もしも間違いに気がついたら、速やかに本部に連絡しましょう。
出陳時間
審査が始まる時間を確認しましょう。だいたい時間どおりに進みますが、多少の時間のズレはあるので注意しましょう。ショー会場によっては、犬種の呼び出しをしてくれることもあります。
リングの場所
リングは何番を使うのか、出番の前の犬種は何か確認しましょう。
出陳頭数
本日の対戦相手(?)を確認しておきましょう。
ジャッジ(審査員)
ジャッジの名前を確認しておきましょう。
●リングでハンドリングの確認をする
ショーが始まる前に、実際のリングでひととおりハンドリングしてみましょう。
パドックからリングまでのルート、時間
ギャラリーやほかのパドックの存在を考慮して、だいたいのルートや時間を考えておきましょう。
リングの状態
コンクリートか、土か、危険な箇所(水溜りやぬかるみ)はないかなど、よく確認しましょう。
ジャッジを想定したハンドリング
ジャッジの立ち位置を想定し、ラウンドからスタック、触審、アップダウン、トライアングル、ラウンドと、ひとおりハンドリングしてみましょう。また、リングの大きさに合ったハンドリングを考えましょう。
出陳犬にリングの感触を覚えさえる
愛犬に今日の晴れ舞台を意識させましょう。
●ジャッジの審査方法や目線を確認する
ショーが始まったら、出陳犬のジャッジを事前に見ておきましょう。触審の仕方や指示の出し方などを確認しましょう。
●本番に備えて出陳犬の排泄を済ませる
審査前に排泄を済ませておきます。ショー会場の規定に沿って始末しましょう。
●トリミングする
愛犬をより美しく見せるため、出来る限りのトリミングをしましょう。 |
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(7)いよいよショーデビュー
いよいよショーデビューです。審査が開始されます。心配しなくても大丈夫。あなたが思う以上に、愛犬があなたをリードしてくれるはずです。愛犬と一緒に、ショーをめいっぱい楽しんでください。
●リングサイドでエントリーを済ませる
審査が始まる前(前の犬種のBOB確定前)に、リングサイドでスチュワードがエントリーを開始します。ゼッケンを見せてチェックしてもらいます。
●ジャッジの指示に従って審査開始
失礼にならない最低限のマナーを守れば大丈夫です。もしもジャッジの言っている意味が判らなかったら、失礼でない程度に聞き返しましょう。ジャッジは、あなたが初心者オーナーハンドラーだと判っています。きっと丁寧に教えてくれるはずです。
●とにかく楽しんで!
ハンドラーは愛犬に笑顔を、愛犬はジャッジに愛嬌を・・・。リング内で愛犬がウンチやオシッコをしてしまっても大丈夫。何が起きてもハンドラーのあなたは冷静でいることを心がけましょう。 |
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