アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第31話 ドラマ「動物のお医者さん」出演」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第31話 ドラマ「動物のお医者さん」出演 

 莱夢は一応、「日本ペットモデル協会」というモデルクラブに所属している。今まで、TBS系の「スポーツドッグNo.1決定戦!!」という特番や、ドラマ「ぼくの魔法使い」などに出演したこともあった。2002年6月、莱夢にとても嬉しいドラマ出演の依頼が来た。それは、ドラマ「動物のお医者さん」出演の依頼だった。そのドラマの原作は、言わずと知れた佐々木倫子先生の大ヒット漫画、「動物のお医者さん」だ。当時、世にハスキー犬ブームを巻き起こしたり、舞台となった北海道大学獣医学部への受験生を増やしたりなど、社会現象を起こした漫画だった。この漫画は、私にとっても思い入れのある作品で、連載当時は最新のコミックスが出るのを待ちわびながら、リアルタイムで揃え、動物と暮らすことへの憧れを高めていったものだ。北海道旅行の際には、わざわざ北海道大学の獣医学部や、家畜病院まで行ったりもした。そんな、私のバイブルとも言うべき漫画を原作としたドラマに、莱夢が出演することになるなんて・・・!しかもオーディションはなし。聞けば、「莱夢ちゃんで」と、ご指名だというんだから驚き!

 撮影当日はあいにくの雨。撮影現場は、埼玉県の城西大学だった。マネージャーの細川さんと大学の正門で待ち合わせ、撮影現場近くに車を停めて待機した。やがて、スタッフの方が挨拶にみえた。車の窓を開けて、莱夢も顔を出して挨拶。スタッフの方は「おとなしいね〜。CHOBIより大きいな〜。今日はよろしくね。」と、莱夢を撫でてくれた。その後、雨はかなり強くなった。スタッフの方が、「莱夢ちゃんおとなしいから、現場に入ってもらって構いませんよ」と言ってくれたので、撮影現場の校舎へと移動した。土曜日とはいえ、学生さんも多いし講義もふつうにあるそうだ。撮影は、大学の講義の合間をぬって、チャイムや学生の往来で中断されながら行われていた。

 撮影現場は廊下の端の自販機コーナー。ここは同時にスタッフの方々の休憩にも使われているらしい。そこで、今日の莱夢の役どころの説明を受けた。莱夢の役は、「行方不明になったチョビと間違われて保護された犬」だそうだ。(確か原作だと、ハムテルが行った先にいたのはチンみたいな小型犬で、「どうやったらこういう犬と間違われるんだ」とかいうシーンだったと思う。)まずは保護した人役の男性に連れられて床に座っている。次に、チョビだと思って迎えにきたハムテル役の吉沢悠さんが駆け込んでくるので、吉沢さんをじっと見つめる。たったこれだけ・・・。

 撮影まで間があるので隅っこで待機。スタッフの方が来て、「CHOBIよりもずっとデカイなぁ〜」と撫でてくれた。「今日はチョビ役のワンちゃん、いないんですか?」と聞くと、「今日は別の現場に行ってるよ」とのこと。「莱夢ちゃんはマラミュートなんだ。おとなしいね〜。CHOBIもこんなふうに落ち着くのかな?」と、休憩時間だったのか、色々な裏話を聞かせていただいた。CHOBIはまだまだイタズラ盛りで、スタッフがGパンのお尻ポケットに入れている軍手が大好きらしい。背中を向けると、後ろから軍手を引っ張りだしてしまうそうだ。また、本番中にCHOBIが騒いでいるので、スタッフみんなで「CHOBI、シーっだよ」と、口に人差し指をあてると、ワンワンとかえって元気よく吼えてしまったとか。ドッグトレーナーに聞いたら、その仕草は「吼えろ」のコマンドだったそうだ。

 撮影現場に、大きなハスキーのぬいぐるみと猫のぬいぐるみがあった。スタッフに聞くと、チョビとミケの立ち位置やカメラ位置を決めるためのダミー人形だそうだ。モデルクラブの規約で、俳優さんにサインや握手、記念撮影を求めてはいけないことになっている。このぬいぐるみならいいかな?スタッフに聴くと、莱夢と一緒に写してもかまわないとのこと。さっそくカメラのシャッターを押しまくった。

 やがて、廊下の向こうから、ひときわオーラを放つ方々が登場した。ハムテル役の吉沢悠さんと、二階堂役の要潤さんだった。なんていうか、シルエットが違うんだよね。遠目で見ても、「この人、いったいどこからが足なの?」ってくらいに足が長い・・・。彼らは登山用のコスチュームを着て、大きなザックを背負いながら廊下を走ってきた。聞こえてくる台詞は「チョビのやつ腹をすかしているだろうな」とかなんとか・・・。どうやら、「チョビが見つかった」との情報が入り、大学構内まで迎えにくるシーンらしい。そのシーンの撮影が終わると休憩に入った。

 重いザックを下ろした吉沢悠さんと要潤さんが、急にこちらに来てくれた。間近で見ると、すごぉ〜くかっこいい・・・。ぼーっとしながら「今日はよろしくお願いします」と言うと、吉沢さんは「可愛いね。この子マラミュートですか?」と笑顔で莱夢をナデナデ・・・。ああ、その役、お母さんに代わって莱夢!と、内心思いつつ、「そうなんですよ。よくご存知ですね」と言うと、爽やかな笑顔で「好きなんです」だって。ああ、私もあなたが好きになりそうです!!!「おとなしいね。CHOBIもこのくらいになるのかな?今日はよろしくな!」と、莱夢をぐりぐりと撫で繰り回してくれた。その横で、要潤さんはちょっと引き気味に「デカ!デカ!」とふたこと・・・。どうも、大きな犬は苦手らしい。そのオヨビ腰ぶりが、そのまま、すっかり二階堂!まさにはまり役だなぁと感心。やがてお二人は爽やかに去っていき、休憩に入った。

 いよいよ莱夢が出演するシーンの撮影が始まった。シーンは全部で2つに分けて撮影した。

(1)ハムテルと二階堂が駆け込んでくるシーン
 莱夢をおじさんの横に座らせ「待て」を指示して、私はカメラに映らない位置に移動。吉沢悠さんが「チョビ!」と叫びながら駆け込んできて、莱夢を見てガッカリする。おじさんが「違うんですか?」と聞くと、要潤さんが「別犬です」とひとこと。ちょっとコミカルな感じのシーンだった。(実際の放映時には、台詞がカットされてシリアスな演出に変更されていた)このシーンは3回ほど撮って終了した。

(2)おじさんに連れられ、座って待っているシーン
 莱夢をおじさんの横に座らせ「待て」を指示して、私はカメラを乗せる台車用のレールの向こうに移動。このシーンは、カメラを台車で滑らせ、要潤さんの足越しに莱夢を撮影した。台詞がないシーンなので、スタッフも私も「莱夢!こっちだよ」と、手やおもちゃを振って莱夢の目線を固定させた。さずが「女優」莱夢。莱夢はカメラを見るのではなく、ハムテルがいる方向をしっかりと見つめた。莱夢のアップと、要潤さんの足元からの遠景と、2パターン撮影して終了。

 監督さんが映像のチェックをしている間、ちょっと休憩。そして5分も経たないうちに、あっさりとOKが出た。莱夢の演技(?)は完璧だったらしい。予定よりもかなり早く撮影を終えた莱夢だった。大好きな漫画を原作としたドラマ、「動物のお医者さん」に携わることができて、私と莱夢はとてもラッキーだったと思う。誰にも迷惑をかけることなく、マナーとルールを守っていい子でいてくれた莱夢、ありがとう。あなたはお母さんの自慢の娘ですよ。