アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第26話 JKCチャンピオンへの第1歩」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第26話 JKCチャンピオンへの第1歩 

 2001年10月7日、川越水上公園で開催された「FCI埼玉インタナショナルドッグショー」は、私と莱夢のその後を大きく変えることになった。

 私はこの日、出陳目録を見てドキリとした。と、言うのは、この日のマラミュートの牝の出陳は全部で5頭。うち、1頭はチャンピオンクラスで、残り4頭はアダルトクラス・・・。M.CC(メジャー・チャンピオンチャレンジ・サーティフィケイト)が発行される条件が揃っていた。つまり、アダルトクラスの1席になれば、そのままウィナーズ・ビッチになり、M.CCを獲得できるのだ。しかし、莱夢はこのドッグショーで4回目。しかもアダルトクラスになってから7日目の幼さで、身体もまだまだ貧弱・・・・。とてもほかの3頭に勝てるなんて思わなかった。実際にリングサイドに集まると、その気持ちは益々強くなった。どの子もガッチリと骨太で、とてもとても莱夢の及ぶような相手ではない。むしろ、それで肩の力が抜けた。とにかく、莱夢と楽しく走ればいいや・・・。

アラスカンマラミュート 画像 いよいよ審査がはじまった。だいたいのドッグショーでは年齢が若い順に審査を行うのだが、今回はなぜか年長順だった。莱夢は一番若いので、最後尾でリングをラウンドした。莱夢はいつもどおり、しっかり顔を上に向けて、楽しそうに誇らしげに走ってくれた。「莱夢、楽しい?莱夢が楽しいとお母さんも楽しいよ」そんな気持ちでリングを1周し、個別審査までちょっとリラックス。やがて巡ってきた個別審査の触審でも、莱夢はきっちりとスタックしてくれた。アップ・アンド・ダウンもスムーズにこなし、フリーステイ。私も莱夢も、とてもリラックスした気持ちだった。審査員の指示でラウンドし、最後尾へ付くと、次は全員でラウンドとなる。

MCC そこで、予期せぬ出来事が起きた。審査員が莱夢を指差し、先頭へ来るように指示したのだ。今までにない展開に戸惑う私だったが、そのまま莱夢と一緒に先頭に立った。審査員の指が円を描き、「全員でラウンド」の指示を出した。4頭は莱夢を先頭にリングを颯爽とラウンドした。そして1周したところで、審査員が莱夢を指差した。「うそ!なにが起きたの?」笑顔のスチュワードが見慣れないロゼットと濃いピンク色の紙を手渡してくれた。「これってもしかして・・・?」驚いたことに、莱夢はウィナーズビッチに選ばれたのだった。と、同時にはじめてのM.CCをゲットした。嬉しいよりも、「うっそぉ〜!」と、驚くばかりだった。

 今まで、ただ楽しくて参加していたドッグショーだったが、この日のM.CC獲得で様相が変わってきた。CCを4枚集めれば、莱夢はJKCチャンピオンになれる。私と莱夢に転機が訪れようとしていた。「楽しむ」ことが目的のドッグショーから、「JKCチャンピオンになるためのドッグショー」へ・・・。こうして、莱夢と私はJKCチャンピオンへの第1歩を踏み出した。