アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第25話 快挙?テレビ出演!」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第25話 快挙?テレビ出演! 

 莱夢は「日本ペットモデル協会」というモデルクラブに所属している。雑誌やポスター、ドラマ出演などのオファーを、事務所を通して受けているのだが、書類選考の段階で「イメージに合わない」と落ちちゃうことがしばしば・・・。でも、ようやっと莱夢に向いてるテレビ出演の依頼が来た!それは2001年6月上旬のことだった。

アラスカンマラミュート 画像 それは「犬No.1決定戦(実際には「スポーツドッグNo.1決定戦!!」というタイトルになりました)」という、犬種ごとに100m走、ハイジャンプ、重量引き、水泳の4種目を競う企画だった。「力持ち」の犬種としてバーニーズマウンテンドッグ(ライル君)がエントリーしていたのだが、重量引きの経験がないのでイマイチ不安。そこで、犬橇経験犬(って、1回しかないぞ!?)の莱夢がピンチヒッターとなったのだ。

 最初の撮影は2001年6月10日、TBS緑山スタジオのグラウンドで行われた。まずは100メートル走。3本走ってタイムを競うのだが、改めて走ると100メートルって長い!しかも、広大なグラウンドにはコースを仕切る壁も紐なく、石灰で描いた線だけが唯一「コース」を示している状態。呼び戻しの効かない莱夢は、ちゃんとまっすぐゴールまで走れるのだろうか??

 スタート地点で母に莱夢を持ってもらい、私はゴール地点で莱夢を呼び込むことにした。ゴール地点には、莱夢がすっかりラブラブになったボーダーコリーのジャウ〜君に来てもらった。いよいよスタート!ゴールで「莱夢〜!おいで〜!!」と叫ぶ私が判らないのか、莱夢はスタート地点をぐるぐると歩き回り、いきなりしゃがんでウンチタイム!うっわーーー!なんちゅう恥かしいヤツ!!スタッフの方々と相談し、2本目は私がスタート地点まで行き、母に莱夢を持ってもらった状態で「莱夢おいで!ここだよ!さあ早く!!」と言いながらゴールまで走り、「ゴールにはママがいる」ことをアピールすることにした。これならば、莱夢は「あ、お母さんが遠くに行っちゃった!莱夢も行く」となるだろう。気合を入れて2本目スタート!莱夢は迷いつつもスタートし、後ろにいる母を顧みて「あれ?こっちのお母さん来ない・・」とスピードダウン。それでも私の姿と声を認識した中盤から後半にかけてはそこそこの走りを見せてくれた。両手を広げて待つ私の横をすり抜け、ジャウ〜君に一直線!スタッフの方から、「莱夢ちゃんを褒めているシーンをやってください」と言われ、莱夢をジャウ〜君から引き離して半ば無理やり「莱夢グッドガール!頑張ったね〜」と褒めた。3本目はいったんコースから外れつつも、一応ゴールまで走りきった。2本目のタイムが17秒台で一番よかったが、どれが使われるかは判らない。

アラスカンマラミュート 画像 次はハイジャンプ。30cmから5cmずつ、徐々に高さをあげていく。ハードルの横にはカメラとカメラマンのお兄さん。リードを付けず、私の声だけでちゃんと飛べるのか??莱夢は30cmの壁(?)を飛ばず、最初は跨いでしまっていた。体高の半分しかない障害だもん、しょうがないか・・・。何度目かの挑戦で、莱夢はひらりと飛ぶことができた。ハードルは徐々に高さをあげ、80cm。何度目かの挑戦で飛ぶことができたものの、莱夢的にはたぶん限界。案の定、85cmに上げたハードルを莱夢は迂回してしまった。5回くらい挑戦したが、どうやっても迂回してしまう。とりあえず、莱夢的にはよく頑張ったので◎!記録は80cmとなった。

 ここで、「競技前のいきごみコメント」の撮影になった。ディレクターのMさんから「『力には自信がある』って内容でお願いします。」と指示され、心にもないコメントを笑顔で喋る自分に内心苦笑い。力に自信なんかないよ。莱夢がどこまでできるか判んないし・・・・。

アラスカンマラミュート 画像 さて、問題はウェイトプル!引くことにはそんなに抵抗のない莱夢だが、なんせ150kgもある荷車引き。こんな重さ初めてだし、犬橇と違ってスタート時にママが後押ししたりできないので、かなり心配。そして、その心配と不安が的中した。スタートで後ろからの負荷が掛かると、「だめ、莱夢繋がってるからママのところ行けない!」と、励ますママを恨めしそうに見ながらウォウウォウと抗議の声。そして振り返って「この綱で莱夢は繋がってる!」と、綱をカジカジ・・・。しまいには伏せて「動けないよ〜」と悲痛な叫びをあげる始末。

 ママが「GO!」の掛け声で莱夢と一緒に荷車を引き、動き始めるキッカケを作ってあげると、「あ、なんだ動くじゃん」と、惰性でゴールまで引けるのだが、いかんせん自力でスタートできない。(x_x)スタートだけ何度も撮りなおすのだが、自力ではなかなかスタートラインを超えられず、越えたとしても「うぉー!なんでこんな重いもん引かせんのよ!嫌よもぉ!!」と吠えまくり、立ち止まってしまう・・・。結局、スタートからゴールまでの一貫した絵が上手く撮れないまま、雨も激しくなってきたので撮影打ち切りに・・・・。

 番組のストーリー的には、「マラミュートは力持ち!」って感じに、グイグイ引いて欲しかったらしい。最初、軽自動車かRVRを引いてと言われたんだから!でもやっぱりブッツケ本番の莱夢にはかなり難しかったようだ。前日に撮影したバーニーズのライル君が引けなかったので、自力スタートは難しくてもその後はスムーズに引けた莱夢をうまく編集してオンエアされるようだ。

アラスカンマラミュート 画像 6月12日、今度は小田原のダイバーズホテルを借り切って水泳の収録に臨んだ。この日は出演するワン達のほかに、その家族がたくさん集まってとても賑やかだった。前回の撮影で一緒だった、ジャーマンシェパードのダイアンちゃん。ボーダーコリーのジャウ〜君とシーラちゃん親子。今回初めて会ったバーニーズマウンテンドッグのライル君。グレイハウンドのクレール君。そして、ラブラドールのブルース君。さすが、モデルクラブのワン達、みんなとっても友好的で優しいいい子だった。

 さて、莱夢の初泳ぎ。莱夢は以前川に落ち、流されつつも泳いだ経験がある。だけど、ちゃんと泳いだことなんてない。まして人間用の深いプールなんて大丈夫なのか??まずは水に慣らすため、私がプールに入って莱夢に水をかけながらリードを引っぱった。莱夢はプールサイドのコンクリートに手足を突っ張って、水に落ちまいと必死に踏ん張る。後ろから母が莱夢を抱きかかえ、無理やりに莱夢をプールへ押し出した。いきなり足の届かない深いプール入った莱夢は、怖がって無闇やたらと手足をバタつかせた。水しぶきをあげてパニックになる莱夢を下から支え、「浮くんだよ、怖くないよ」と励ます私。半ばパニック状態の莱夢の手足は、容赦なく私の腕や太ももを蹴り、血のにじむ真っ赤な爪あとと紫色の痣がいっぱい。とうとう莱夢は私を蹴り飛ばし、コースを仕切る紐を越えながら夢中で手足をバタつかせた。半分泳いで、半分溺れてる・・・。試しにリードを引っ張りながら誘導すると、不器用に水しぶきをあげつつも、なんとか前に進むようになった。だけど練習時間はここで終了。

 1回目、それぞれの泳ぎを数台のカメラで撮りながら25m泳いだ。莱夢は私の引くリードに導かれつつ、水しぶきをバシャバシャとあげて進んだ。一応沈まずに前に進んでいる。ゴールしたあと、スタッフの方から「できればリード無しでお願いします」と言われてしまった。

 まったく泳げない子も、スイスイ泳げる子も、それぞれに1回目の撮影を終えた。ここでVTRが無くなったため、しばらく休憩となった。休憩とはいえ、練習のチャンス!嫌がって「もぉここから出たいの」と出口のドアの前に座る莱夢をなだめつつ、再びリードを付けてプールに入ることにした。ダイアンちゃんのパパとジャウ〜君のパパが莱夢の泳ぎの練習に協力してくれた。プールに入りたがらない莱夢を抱っこして入れてくれたり、リードに長い紐を付けて、ゴールから引っ張ってくれたり・・・。はじめは相変わらず水面を激しく叩いていた莱夢だが、そのうちに水中で前足を動かすことを覚えた。覚えてからは目覚しい上達!莱夢はリードなしで私よりも先にどんどん泳げるようになった。そして2回目の撮影では、途中、音声さんのモジャモジャしたマイクや、カメラさんに気を取られて寄っていく余裕も見せてくれた。

 さて本番の4頭での競泳!スタッフの方と話し合った結果、1回目の組み合わせは左からブルース君、ダイアンちゃん、莱夢、クレール君の順でエントリーすることになった。また、私がゴールで莱夢を呼び込み、母がスタート地点で莱夢を持っていることにした。

 スタート前にプールサイドに並ぶシーンを撮るとき、莱夢は周りに気を取られることなくとても落ち着いていた。カメラは長い間回っているので、「カット」の声が掛かるまで2分くらいずっと座ったままだった。一度だけ動きかけたので、ゴールから「莱夢、座れ、待て」と言うと、「どこからかお母さんの声がする」と、ちょっとキョロキョロ辺りを見回していた。本番に強いって言うか、鉄の心臓って言うか、いい度胸である。やがて母と莱夢がプールに入って莱夢を水面に浮かせるように抱き上げ、いつでも泳ぎ出せるようにスタンバイ!莱夢はここでも暴れたりせず、カメラやマイクを見て余裕の表情だった。

 いよいよスタート。合図でいっせいに泳ぎ出す犬達。莱夢はまるで昔から泳げたかのようにスイスイと泳いでいる。あんなに水しぶきをあげてパニックになっていた子が、ウソのようにスタートからゴールまでキレイに泳げた。顔は余裕の笑顔!水しぶきもあげずにちょっと身体をクネらせながら泳ぐ姿は、得意げで楽しそう。ゴールした瞬間、プールの壁に手をかけて上がろうとする莱夢を抱き上げ(このときはもぉ、火事場のクソ力って感じ!)思い切り抱きしめてしまった。スタッフの方もみんなも、「泳げるようになった!」と驚き、喜んでくれた。たぶん一番驚いたのは私と莱夢自身だったろう。

アラスカンマラミュート 画像 最後に「すべての競技を終えたコメントをご自分の言葉で」と言われ、「こんなにいろいろなことが出来ると思っていなかったので驚いていること。これからも莱夢といろんなことにチャレンジしていきたいと思っていること」をコメントした。(カメラを前で緊張して何喋っているか判らなかったけど・・・)この日の撮影はすごく順調だったようで、予定より2時間も早く終わった。スパルタママで莱夢には申し訳なかったけど、結果的には、莱夢に新しい世界が開けてよかった!

 後日、自宅や近所の公園で、莱夢がバックパックを背負って歩く姿を撮影し、すべての撮影が終わった。

 莱夢と一緒に暮らし始めて、私自身の世界も広がった。莱夢と伽凛がいなければ、こんなふうにテレビ出演することもなかったと思う。莱夢との暮らしはまだ始まったばかり、きっとこれからもいろいろなことが起きるだろう。莱夢、貴女をとてもを信じている。これからも、どこまでも一緒に行こうね。