アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第18話 病気?いいえ、発情!」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第18話 病気?いいえ、発情! 

 莱夢のはじめての発情が終わってから1ヶ月半ほどたった、2000年8月のある日だった。私は床に薄いピンク色のものが落ちていることに気付いた。はじめは「???」と、あまり気にしていなかったが、莱夢が寝ているラグの上に落ちていたことから、「まさか?」と、はじめて莱夢からの出血を疑った。気をつけて見てみれば、莱夢はよく陰部をなめている。ティッシュをあてがうと、淡い桜色に染まった。「これはもしや、恐ろしい病気では?」私はすぐに莱夢を獣医さんに連れて行った。

 先生は子宮内膜炎、最悪の場合は子宮蓄膿症の可能性を示唆した。莱夢のように、1歳未満の子がかかる病気ではないけれど、可能性がない訳ではないらしい。出血を止め、炎症を抑える薬をいただいてから様子をみることになった。

 あまりに心配なので、思い切ってブリーダーさんに相談してみた。ブリーダーさんのかかりつけの獣医さんが栃木の鹿沼にいるので、行ってみたらどうかと薦めてくれた。確かに、何十頭ものマラミュートを診て、たくさんのマラミュートを助けている名医ならば安心だ。それにしても、神奈川の中央に住む私と莱夢にとって、栃木はかなり遠い・・・。どうしよう。行ってみるか?それとも様子をみるか?けれど、このまま心配しているよりも、行って安心するならばそのほうがいいかもしれない・・・。さいわい莱夢自身はいたって元気で、いつもどおり部屋中を走り回り、パワーをもてあましているようだった。これならばロングドライブも大丈夫かも・・・・。迷ったあげく、実家の母と一緒に鹿沼まで行くことにした。ブリーダーさんが親切にも、鹿沼の獣医さんに話を通しておいてくれた。

 東名から首都高を抜け東北道へ・・・。夕方近くなって、ようやく鹿沼の獣医さんに到着した。さっそく診察してくれた獣医さんの見解は、「病気ではなくて発情かもしれない」だった。うそ!だって莱夢の発情は5月末に来たばかりだもの・・・。ふつう、半年に1回なんじゃないのかしら??鹿沼の先生に、厚木の先生から処方していただいた薬を見せた。すると、プラスして子宮を収縮させて血液を押し出す薬を処方してくれた。

 その翌日くらいから、莱夢に本格的な発情がはじまった。前回の発情が終わってから、わずか1ヶ月半しかたってないのに・・・。莱夢は病気ではなかったのだけれど、不安が消えたわけではなく、むしろ色濃く残った。そして、一週間後にせまった、楽しみにしていた上高地への旅行は、もちろんキャンセルになった。

 その後、莱夢の発情の周期は2ヶ月半〜4ヶ月半に1度となっていった。季節によって間隔があくこともわかり、「これが莱夢のペースなんだ」と納得してきた。また、1年のうち、2月の連休、ゴールデンウィーク、お盆休み、冬の始まりがだいたい発情と重なると、なんとなくわかってきた。でも、頻繁に来る発情が、莱夢の身体に悪い影響を与えないとは言い切れない。「子宮蓄膿症になりやすい傾向」にあることは変わらないし、何よりも莱夢の精神的な負担が心配だ。避妊したほうがいいのかもしれない・・・。でも、これが莱夢のペースならば、このまま見守っていくほうがいいのかもしれない・・・。