アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「第14話 ドッグショーに向けて練習」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 第14話 ドッグショーに向けて練習 

 大きなドッグショーを見学してから、「莱夢とドッグショーに出る」という目標が出来た。2001年の「FCIアジアインターナショナルドッグショー」に出陳できるように、自分なりに莱夢と練習してみることにした。練習と言っても、何をどうやって練習すればいいのかすらわからない・・・。

 ドッグショーの光景を思い出すと、犬達はみんなハンドラーの左側を走っていたようだった。リードは細い特殊なものを使っていたし、リードのかけ方も変わっていて、犬の顎から耳の後ろを通していた。いろいろ調べると、細いリードは「パラシュートリード」とか「ショーリード」とか呼ばれている、ドッグショー専用のリードだった。ペットショップで探してみたが見つからず、ネットショップで見つけたものを購入した。長さとか太さはよく判らないので、莱夢の首周りに合わせて適当にみつくろい、色は黒にしてみた。

 数日後、届いたリードをさっそく持って、莱夢と一緒に散歩に出た。ショーリードを早く使ってみたかったけど、いきなり使っては莱夢がショーリードを嫌いになってしまうかもしれない・・・。どこか適当な場所はないか、探しながら歩いた。高速道路の脇に広がる公園は、街灯も多く適度な広さがあった。ここならいいかもしれない。莱夢にショーリードをかけてみる。ふだんからチョークタイプのリードには慣れているので、莱夢は抵抗なくリードをかけさせてくれた。でも、顎の下を通して耳の脇でしっかり固定すると、苦しいのかちょっと頭を振ってみせた。大丈夫かな?ドッグショーでハンドラーがしていたように、短めに持って莱夢が左側になるように歩いてみる。莱夢はふだんどおりに歩いてくれた。ドッグショーを真似て、ちょっと走ってみると、莱夢もトロットになった。が、すぐにはしゃいでガシガシ走り始めた。「NO!莱夢、ゆっくりゆっくり」と、声をかけながら速度を緩めると、莱夢もゆっくり歩いてくれた。ドッグショーで犬達はビシっと立って、審査委員にアピールしていたので、これも真似てみる。莱夢を立ったせて「ステイ」と声をかけ、手足の位置を直してみる。莱夢は私が直した手足の位置が嫌なのか、フラフラと動いてしまった。それでも一応は立っている。まぁ、初日はこんなものだろう・・・。時間にして5分ほど練習し、いつもの散歩に戻った。

 その後、毎日の散歩で必ず練習をするように心がけた。莱夢はすぐにショーリードで横を歩くことをマスターした。ステイの練習のとき、莱夢の鼻先におもちゃを出して集中させ、頭を高くキープするように工夫した。夏が終わる頃には、莱夢は「ステイ」と言うと「立って待つ」と覚えたようだ。

 秋になってブリーダーさん宅でハンドリングの練習会を開いてもらった。当日は、ブリーダーさんのほか、実際にショーでハンドラーをしている方も来てくださった。ショーリードの持ち方や、実際のショーでの動きなどを教わった。ショーの流れはだいたいこんな感じらしい。


 (1)入場
  ⇒審査員の指示に従って、順番にリングに入場する。

 (2)ラウンド
  ⇒審査員の指示で、全員でリング内を反時計回りに一周走る。
   ここで、審査員は個々を比較する。

 (3)触審
  ⇒ここからは個別審査。一頭ずつ骨格や歯並び、性格をなどを触りながら審査する。

 (4)歩様審査1
  ⇒アップ・アンド・ダウン(ときにはトライアングル)で歩き方を審査する。

 (5)フリーステイ
  ⇒アップ・アンド・ダウンの最後に審査員の前で止まり、自然な立ち姿を審査する。

 (6)歩様審査2
  ⇒リング内をラウンドしながら歩き方を審査する。ここまでが個別審査で、各々(3)〜(6)を繰り返す。

 (7)ラウンド2
  ⇒全員の個別審査が終わったら、全員でリング内を反時計回りに一周走る。
   ここで、審査員は最終的な比較をする。

 (8)審査終了
  ⇒入賞犬にはロゼットが付与される。


 ブリーダーさんの前で、上記の流れにそって莱夢をハンドリングしてみた。触審の練習はしていなかった莱夢だったが、日頃から「誰にどこを触れても大丈夫」なように訓練していたおかげで、ちょっと腰が引けつつもちゃんとステイをキープしてくれた。ハンドラーさんは、練習に参加している犬たちを実際に引きながら個別の指導をしてくれた。でも、莱夢は引いてもらえなかった。理由は「莱夢はもうできてるから大丈夫」とのこと。本当だろうか?ハンドラーさんが、ステイで立っている莱夢の前で口を「キュッ!キュッ!」と鳴らすと、莱夢はステイのまま「なあに?」と注目した。これができれば大丈夫なんだとか・・・。なんだか不安だ・・・。その後、練習のポイントを教わった。


 (1)明るい場所で練習する
  ⇒暗いと犬は自分が何をされているか不安になるので・・・。
   

 (2)鏡の前でステイの練習をする
  ⇒犬と自分を鏡に映して確認しながら、美しく動きを感じるカタチになるように手足の置き位置を決める。

 (3)練習をビデオなどに撮って研究する
  ⇒犬との一体感や癖はないかなど、確認して練習に活かす。


 この練習会を機に、莱夢の練習はより具体的になっていった。場所も近所の病院の駐車場に変えた。ここは夜になるとガラス張りの大きな壁面がそのまま「鏡」になる。莱夢のスタックやハンドリングを確認しながら練習するようには絶好の場所だった。2001年春の「FCIアジアインターナショナルドッグショー」に向けて、こうして少しずつ練習を重ねていった莱夢と私だった。さてさて、はじめてのドッグショー、いったいどうなることやら・・・。