アラスカンマラミュートの莱夢のものがたり「プロローグ」です。

アラスカンマラミュート Prime Snow 〜莱夢といた日々〜

 プロローグ 

 小学生のころ大好きだった本の中に、戸川幸夫氏の「オーロラの下で」がある。狼と橇犬の間に生まれた狼犬が「バルトー」と名づけられ、やがて優秀な橇犬となり、血清を運んでジフテリアから町を救うストーリーだ。この本の出会いから、狼や橇犬に淡い憧れを抱くようになった私だった。その後、映画「南極物語」を見て、凍てつく大自然の美しさと、北方犬のたくましさに夢中になった。中学生のころに読みふけった平井和正氏の「ウルフガイ・シリーズ」、高校生のころにハマッタ佐々木倫子氏の「動物のお医者さん」・・・。狼や、狼を彷彿させる北方犬は、私にとって憧れの存在だった。

 「アラスカンマラミュート」という犬を知ったのは、いつだっただろう。たぶん、本屋で立ち読みした犬種の本で、はじめてその名を知ったのだと思う。でも、それがいつかは覚えていない。ただ、印象だけが鮮烈に残っている。憧れの狼を彷彿される野性的な風貌の「アラスカンマラミュート」。性格は温和で人懐っこいらしい。また、小さいうちに服従訓練をすれば、よい伴侶犬になるとも書いてあった。橇犬なので運動量が多いことや、暑さに弱いことを除けば、まさに求めていた理想の犬だと思った。私はいつしか「アラスカンマラミュート」に魅入られていた。

 いつか犬と暮らすことになったら、絶対に「アラスカンマラミュート」を選ぼうと、心に誓った。